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宮永愛子展「景色のはじまり-金木犀-」@ミヅマアートギャラリー

宮永愛子展「景色のはじまり-金木犀-」@ミヅマアートギャラリー宮永はナフタリン素材による「無くなっていく」作品で有名。彼女の作品はあいちトリエンナーレでもみた

正面には巨大なレースの織物のようなインスタレーションがある。これはカセイソーダで柔らかくし、スポンジでこすって葉脈だけにした金木犀の葉を使って作られている。それを数万枚も使っているらしい。

軽やかであり繊細でもあり。思わず触ってみたくなるような心地良い素材感覚だった。

奥の和室には陶器の作品群が。耳をすませていると、時々「ピン、ピン」と音がする。これは気温の変化に伴って陶器に生じる音らしい。

普通の陶器では、この音は焼きあがって数日でなくなるらしい。それを特別な加工で長期間に渡って継続するようにしたとのこと。

しかし、いずれ音はしなくなるし、いつでも音がするわけではない。ギャラリーの方に聞いたところ、音が聞こえない日もあるとのこと。ちょっとラッキーな感じでうれしくなった。

和室の床の間にはナフタリンの時計が美しく崩壊しつつあった。

いつかは消えてなくなるモノ・コトというコンセプトの作品群だが、こうしたものを尊ぶ美意識は小さくはなかいものを好むように思う。制作費が潤沢になってリアルに大規模なものを作るとその部分が失われるのではと心配になる。

あいちトリエンナーレの塩田千春の作品でも同じ危惧を持ったことを思い出した。

あいちトリエンナーレ2010 名古屋市美術館会場

あいちトリエンナーレ2010 名古屋市美術館会場都市型の大規模美術展という点で横浜トリエンナーレと共通点が多い。関係者も多く関わっているしね。海がないのが残念だけど街中への展開という点ではこちらの方が成功していると思った。

名古屋市美術館は招待作家中心。入って最初の作品がオー・インファンのはかないお線香作品で、時間の経過と共に燃え尽きてしまうものを置いたところが洒落てる。

ここのメインは塩田千春。最近のモチーフである赤い液体が流れている血管を思わせるチューブの作品。本人出演のビデオは以前、資生堂ギャラリーで見た。これが吹き抜けのフロアーに大規模に配置されている。インダストリアルなテイストがこれまでの彼女の人格とか個人から乖離しているように感じた。この方の行方に一抹の不安。

2階のジェラティンの作品は床一面に金箔の粒子撒き散らかしてあり、これは?と思ったが、ボランティアが箒でこの粒子を渦巻や各種のパターンに形成するところに立ち会えた。朝一番は得するなあ。

この会場の作家ではラクウェル・オーメラのサイトスペシフィックな作品作りに好感を持った。
多分名古屋市内の各所で撮影した映像に紙人形や本人が合成された映像。また、図書室には手描き、手作りの小冊子が置いてあった。これらはほぼ完全な日本語版。多分、読み書きできないんだろうが、丁寧に描き写していた。図書室の受付スタッフが好意的に案内していて、さらに好感度アップ。アートは監視の人がファンになるくらいでなくてはね。

椿会展2010 Trans-Figurative@資生堂ギャラリー

椿会展2010 Trans-Figurative@資生堂ギャラリー資生堂ギャラリー選抜作家による連続展の最終回。同じ作家を3年間にわたって紹介し続けるという取り組みだから成長や変化がよく分かる。

やなぎみわの赤い靴は超小さいのから超大きいのまであって、そこはかとなく笑いが湧いてくる。

これもいいが、やっぱり一番目立つのは伊庭靖子。200号くらいのサイズいっぱいにあの気持ちよさそうなクッションが今度は何個も描かれている。前に立っていると感触の心地よさと陽だまりの温かさにくるまれるようです。

対面にあるのが丸山直文。あの大きいキャンバスでにじみやぼかしを描くのってけっこう思い切りが必要だろうなと思った。

その隣の袴田京太郎の輪切りコビトは相変わらずユーモラス。表情は見えないんだけどきっと悲しそうなんだろうと思えてくる。

小部屋とのつなぎにあるのが祐成政徳の大物オブジェ。タイトルが「Bridge Over Flat Water」なんだけど、これってあの「Bridge Over Troubled Water」のオマージュ?「問題のない水にかかる橋」という意味?それにしてはそれぞれの橋脚の素材が違っていて問題のない橋をかけるにもいろいろと苦労が…という意味か、などど考えてしまいます。

そして最後の作品が塩田千春のビデオ作品。横たわる裸体の女性にまとわりつくチューブに血液を思わせる赤い液体が行ったり来たり。WiredやTubedという状態で時折うごめく様子は苦痛なのか快感なのか。あとで聞いたら本人出演で配偶者が撮影だとのこと。

小さいギャラリーだし点数は少ないのにこの満足度の高さは一体なんでしょう。資生堂ギャラリー、ほんとにいい仕事していますね。

塩田千春「家の記憶」@越後妻有アートトリエンナーレ2009

塩田千春「家の記憶」@越後妻有アートトリエンナーレ2009この人の作品はいつも「よく作ったなー」って感じと同時に、「個展が終わったら全部撤去するんだよなあ、もったいない」という感じがいつもしていたから、ここでは常設になるんじゃないかと思って少し安心して鑑賞できた。

とても古いけれどしかしモダンな感じの読み物が毛糸に閉じ込められていて、そんなディテールが特によかった。